NPO法改正による法人運営への影響(定款変更等の必要)
2012.05.05.17:48
前回のNPO法改正(平成24年4月1日施行)に伴う定款変更等への影響は以下のとおりです。
1 「特定非営利活動の種類」条項
改正NPO法で、特定非営利活動の活動分野の号数がずれたため、法人の定款に記載される「特定非営利活動の種類」の規定内容によっては、定款を変更する必要が生じます。登記上「目的等」欄に号数が記載されている場合であって、定款変更が必要な場合は、併せて登記の変更も必要となります。
① 改正前の号数が記載されている場合は、定款変更が必要
② 号数のみの記載しかない場合(活動の種類の表示がない場合)は、活動分野が推測できないため、速やかに定款変更が必要
2 総会「議事録」条項(社員のみなし決議の導入)
今回の改正で、社員のみなし決議の導入されました。このみなし決議を活用した場合、実際には社員総会は開催されないため、総会議事録の記載内容も通常とは異なる異なることになります。そのため、この制度を利用する法人は、定款中の「議事録」の項目を修正する必要が生じます。
<例>第三項の新設
(議事録)
第○条 (略)
2 (略)
3 前2項の規定に関わらず、正会員全員が書面による同意の意思表示をしたことにより、総会の決議があったとみなされた場合において は、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
(1) 総会があったものとみなされた事項の内容
(2) 前号の事項の提案をした者の氏名又は名称
(3) 総会の決議があったものとみなされた日
(4) 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名
3 役員の「職務」条項(理事の代表権の制限)その1
殆どの法人は、「 理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する。」との規定があるのみで、他の理事の代表権を制限する規定をもっていません。このような場合に理事の代表権を制限する場合と制限しない場合それぞれについて、以下の手続きが必要となります。<例>
A 理事の代表権を制限することとする場合
(職務)
第○条 理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する。理事長以外の理事は、この法人の業務について、この法人を代表しない。
※コメント このような規定にする場合は、定款変更は任意であるが、登記の変更は必要。ただし、この例のように理事長以外の理事が 代表権を持たないことを明記する定款変更をしておくのが望ましい。
B 理事の代表権を制限しないこととする場合
(職務)
第○条 理事長は、この法人の業務を総理する。
2 (略)
3 理事は、この法人を代表し、理事会を構成し、この定款の定め及び理事会の議決に基づき、この法人の業務を執行する。
※ コメント 第1項の「代表し、」を削除し、第3項に「この法人を代表し、」を加えている。この場合、定款変更が必要となる。なお、登記 の変更は不要。
3 役員の「職務」条項(理事の代表権の制限)その2
理事の代表権の制限を行った場合、登記の変更も必要となります。すなわち、殆どの法人では、現在の登記上には理事全員が登記されていると思います。今回の改正では、代表権を有する理事のみを登記することとなったため、代表権を持たない理事については、代表権喪失の登記をするか、あるいは代表権の範囲を追加する必要があります。
例えば、下記のような場合
A 理事長(代表権あり) 登記必要 → そのまま登記
B 理事(一部の業務の代表権あり) 登記必要 → (○○の業務についてのみ代表権を有する)旨の追加記載が必要
C・D・E 理事(代表権なし) 登記不要 → 抹消登記
定款に「理事長のみが法人を代表する」旨の記載がある法人については、平成24年4月1日(改正法施行日)から6ヵ月以内に、代表権を有する理事以外の代表権を制限された理事及び代表権を有しない理事について、「平成24年4月1日代表権喪失」を原因とする変更の登記をしなければならないこととされました。
また、定款に、理事の代表権の範囲又は制限に関する定めがある場合も、代表権の一部が制限された理事についての代表権の範囲又は制限に関する定めの登記が必要となります。
これらの変更登記は、他の登記申請をする場合には、これらの登記の申請と同時にしなければなりません。
4 理事の代表権の制限
これまで、定款で定められた理事の代表権の制限は、体内的にのみ有効で、対外的には理事全員が代表者という扱いでしたが、今回の改正により、対外的にも理事の代表権の制限を対抗できることになりました。ただし、定款による理事の代表権を制限した場合は、併せてその旨を登記する必要があります。
以上、登記に関することは、法務局のホームページでご確認ください。
NPO法人の定款変更や運営のことで困ったなと思ったら、橋本行政書士事務所へご相談ください。
TEL 059-355-1981
1 「特定非営利活動の種類」条項
改正NPO法で、特定非営利活動の活動分野の号数がずれたため、法人の定款に記載される「特定非営利活動の種類」の規定内容によっては、定款を変更する必要が生じます。登記上「目的等」欄に号数が記載されている場合であって、定款変更が必要な場合は、併せて登記の変更も必要となります。
① 改正前の号数が記載されている場合は、定款変更が必要
② 号数のみの記載しかない場合(活動の種類の表示がない場合)は、活動分野が推測できないため、速やかに定款変更が必要
2 総会「議事録」条項(社員のみなし決議の導入)
今回の改正で、社員のみなし決議の導入されました。このみなし決議を活用した場合、実際には社員総会は開催されないため、総会議事録の記載内容も通常とは異なる異なることになります。そのため、この制度を利用する法人は、定款中の「議事録」の項目を修正する必要が生じます。
<例>第三項の新設
(議事録)
第○条 (略)
2 (略)
3 前2項の規定に関わらず、正会員全員が書面による同意の意思表示をしたことにより、総会の決議があったとみなされた場合において は、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
(1) 総会があったものとみなされた事項の内容
(2) 前号の事項の提案をした者の氏名又は名称
(3) 総会の決議があったものとみなされた日
(4) 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名
3 役員の「職務」条項(理事の代表権の制限)その1
殆どの法人は、「 理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する。」との規定があるのみで、他の理事の代表権を制限する規定をもっていません。このような場合に理事の代表権を制限する場合と制限しない場合それぞれについて、以下の手続きが必要となります。<例>
A 理事の代表権を制限することとする場合
(職務)
第○条 理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する。理事長以外の理事は、この法人の業務について、この法人を代表しない。
※コメント このような規定にする場合は、定款変更は任意であるが、登記の変更は必要。ただし、この例のように理事長以外の理事が 代表権を持たないことを明記する定款変更をしておくのが望ましい。
B 理事の代表権を制限しないこととする場合
(職務)
第○条 理事長は、この法人の業務を総理する。
2 (略)
3 理事は、この法人を代表し、理事会を構成し、この定款の定め及び理事会の議決に基づき、この法人の業務を執行する。
※ コメント 第1項の「代表し、」を削除し、第3項に「この法人を代表し、」を加えている。この場合、定款変更が必要となる。なお、登記 の変更は不要。
3 役員の「職務」条項(理事の代表権の制限)その2
理事の代表権の制限を行った場合、登記の変更も必要となります。すなわち、殆どの法人では、現在の登記上には理事全員が登記されていると思います。今回の改正では、代表権を有する理事のみを登記することとなったため、代表権を持たない理事については、代表権喪失の登記をするか、あるいは代表権の範囲を追加する必要があります。
例えば、下記のような場合
A 理事長(代表権あり) 登記必要 → そのまま登記
B 理事(一部の業務の代表権あり) 登記必要 → (○○の業務についてのみ代表権を有する)旨の追加記載が必要
C・D・E 理事(代表権なし) 登記不要 → 抹消登記
定款に「理事長のみが法人を代表する」旨の記載がある法人については、平成24年4月1日(改正法施行日)から6ヵ月以内に、代表権を有する理事以外の代表権を制限された理事及び代表権を有しない理事について、「平成24年4月1日代表権喪失」を原因とする変更の登記をしなければならないこととされました。
また、定款に、理事の代表権の範囲又は制限に関する定めがある場合も、代表権の一部が制限された理事についての代表権の範囲又は制限に関する定めの登記が必要となります。
これらの変更登記は、他の登記申請をする場合には、これらの登記の申請と同時にしなければなりません。
4 理事の代表権の制限
これまで、定款で定められた理事の代表権の制限は、体内的にのみ有効で、対外的には理事全員が代表者という扱いでしたが、今回の改正により、対外的にも理事の代表権の制限を対抗できることになりました。ただし、定款による理事の代表権を制限した場合は、併せてその旨を登記する必要があります。
以上、登記に関することは、法務局のホームページでご確認ください。
NPO法人の定款変更や運営のことで困ったなと思ったら、橋本行政書士事務所へご相談ください。
TEL 059-355-1981
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