「分譲マンション特有の重要事項説明」
マンションネタです。
1 はじめに
前回、仲介業者である不動産会社には、重要事項説明義務と契約書面の交付義務があること及びその概要をお話ししましたが、今回は、特に重要事項説明義務のうち、分譲マンションに特有な説明事項をお話ししてみたいと思います。
2 分譲マンションに特有な重要事項の内容
宅地建物取引業法第35条第1項第6号・同法施行規則第16条の2によれば、分譲マンション(区分所有法の「区分所有建物」のこと。)においては、不動産業者は以下の事項を説明しなければならないとされています。
① 一棟の建物の敷地に関する権利の種類とその内容
② 共用部分に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
③ 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
④ 一棟の建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨(専用使用権)の規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
⑤ 一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用、通常の管理費用その他の当該建物の所有者が負担しなければならない費用を特定の者にのみ減免する旨の規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
⑥ 一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨(計画修繕積立金)の規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容及び既に積立てられている額
⑦ 通常の管理費用の額
⑧ 一棟の建物及びその敷地管理が委託されているときは、管理受託者の氏名・住所(法人の場合は商号又は名称・主たる事務所の所在地)
⑨ 一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容
3 説明事項についてのコメント
①・・・敷地利用権の例としては、所有権、地上権、賃貸借等があります。
③・・・例えば、ピアノの使用やペットの飼育などの制限がある場合
④・・・例えば、専用庭、駐車場の使用など
⑥・・・修繕積立金の内容の他、滞納がある場合は、その額も説明事項となります。前区分所有者に滞納額があるときは、買主がそれを引き継ぐことになるからです。
⑦・・・通常の管理費は、修繕積立金とは区別されます。
⑧・・・委託された業務内容までの説明は必要ありません。
なお、②③④⑤⑥の事項は、規約(案も含めて)の定めがないときは、説明の必要はありません。また、⑧については、委託がないときは説明の必要はなく、⑨について、記録がないときも説明の必要はありません。
以上
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マンション管理士 行政書士 橋本俊雄
theme : 住宅・不動産
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