NPO解散決議と残余財産の帰属先の定め方
2014.06.10.16:32
不思議なもので、最近NPO(特定非営利活動法人)の解散について多く質問を受けています。そこで、解散事由で特に多い社員総会決議による解散の場合とそれに関連して定款での残余財産の帰属先の定め方について、解説を述べてみたいと思います。
質問1 社員総会の決議によるNPO解散で注意する点
回答2
1 解散事由
NPOの解散事由としては、ア)社員総会の決議、イ)定款で定めた解散事由の発生、ウ)目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能、エ)社員の欠乏、オ)合併、カ)破産手続開始の決定、キ)法第43条に規定する設立の認証の取消しの7点です。このうち、アのように社員総会決議により解散することは可能です。
2 解散決議
解散の決議については、特別決議(総社員の4分の3以上の承諾)が必要となります。母数は「総社員」です。普通決議のように「出席社員の過半数」ではありません。ただし、定款で別段の定めがある場合はそれによります。
解散総会で決議する点は、①解散することの意思決定、②残余財産の帰属先、③清算人の選任の3点です。②については、定款に明記してある場合は必要ありません(ただし、定款の規定が「解散総会で決定する」としている場合はなお必要です)。③については、特に解散総会で定めないときは、理事が清算人となり、また定款で別の定めがあるときはそれによります。
3 解散届の提出
解散事由のうちア・イ・エ・カで解散する場合は、「解散届出書」を提出しなければなりません。この場合の提出書類は、解散届出書(規則第11号様式)と解散及び清算人の登記をしたことを証する登記事項証明書の2点です。
質問2 NPOの定款で残余財産の帰属先の規定の仕方
回答2 NPO法人が解散したときは、定款の定める帰属先に残余財産を譲渡することができます(法第32条第1項)。帰属者は、誰でもよいわけではなく、次に掲げる者の中から選定する必要があります。
①他の特定非営利活動法人
②国又は地方公共団体
③公益財団法人又は公益社団法人
④学校法人
⑤社会福祉法人
⑥更正保護法人
帰属先の定め方は、「〇〇法人」のように既存の法人を個別的に特定することが原則です。ただし、①~⑥に該当する限りは、抽象的な規定でも認められます。
このような例としては、「第〇〇条 この「法人が解散(合併又は破産による解散を除く。)したときは、その残余財産は他の特定非営利活動法人又は〇〇法人で当法人と目的を同じくするものに譲渡するものとする。」などです。
定款に残余財産の帰属先の定めがないときは、清算人は所轄庁の認証を得て、その財産を国又は地方公共団体に譲渡することが可能です。帰属する者の規定があっても、その法人がすでに消滅している場合も同様です(法第32条第2項)。
以上によって処分されない財産は、最終的は国庫に帰属します(法第32条第3項)。
NPO(特定非営利活動法人)の設立、運営、解散についてわからないことがありましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
くらしと経営の法務コンサルタント 橋本行政書士事務所
質問1 社員総会の決議によるNPO解散で注意する点
回答2
1 解散事由
NPOの解散事由としては、ア)社員総会の決議、イ)定款で定めた解散事由の発生、ウ)目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能、エ)社員の欠乏、オ)合併、カ)破産手続開始の決定、キ)法第43条に規定する設立の認証の取消しの7点です。このうち、アのように社員総会決議により解散することは可能です。
2 解散決議
解散の決議については、特別決議(総社員の4分の3以上の承諾)が必要となります。母数は「総社員」です。普通決議のように「出席社員の過半数」ではありません。ただし、定款で別段の定めがある場合はそれによります。
解散総会で決議する点は、①解散することの意思決定、②残余財産の帰属先、③清算人の選任の3点です。②については、定款に明記してある場合は必要ありません(ただし、定款の規定が「解散総会で決定する」としている場合はなお必要です)。③については、特に解散総会で定めないときは、理事が清算人となり、また定款で別の定めがあるときはそれによります。
3 解散届の提出
解散事由のうちア・イ・エ・カで解散する場合は、「解散届出書」を提出しなければなりません。この場合の提出書類は、解散届出書(規則第11号様式)と解散及び清算人の登記をしたことを証する登記事項証明書の2点です。
質問2 NPOの定款で残余財産の帰属先の規定の仕方
回答2 NPO法人が解散したときは、定款の定める帰属先に残余財産を譲渡することができます(法第32条第1項)。帰属者は、誰でもよいわけではなく、次に掲げる者の中から選定する必要があります。
①他の特定非営利活動法人
②国又は地方公共団体
③公益財団法人又は公益社団法人
④学校法人
⑤社会福祉法人
⑥更正保護法人
帰属先の定め方は、「〇〇法人」のように既存の法人を個別的に特定することが原則です。ただし、①~⑥に該当する限りは、抽象的な規定でも認められます。
このような例としては、「第〇〇条 この「法人が解散(合併又は破産による解散を除く。)したときは、その残余財産は他の特定非営利活動法人又は〇〇法人で当法人と目的を同じくするものに譲渡するものとする。」などです。
定款に残余財産の帰属先の定めがないときは、清算人は所轄庁の認証を得て、その財産を国又は地方公共団体に譲渡することが可能です。帰属する者の規定があっても、その法人がすでに消滅している場合も同様です(法第32条第2項)。
以上によって処分されない財産は、最終的は国庫に帰属します(法第32条第3項)。
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