医的侵襲行為への同意~悩ましい後見人業務
2014.10.28.12:24
10月も終盤となると木枯しも吹き寒さを増してきますね。そして、これからインフルエンザなども流行り始める頃となります。
被後見人さんが入所している施設からインフルエンザ予防接種の同意を求める書面が届きました。昨日届きましたが、早期に返送した方がよいので、早速本日送付するとします。
ただし、悩ましいのは成年後見人に医療行為、特に身体への侵襲を伴う同意権はあるのか、という点です。本来、このような同意権は家族においてすらなく、ましてや家族でもない後見人にはありません。後見人の職務はあくまで財産管理と身上監護などの法律行為であり、事実行為である医療行為ではないからです。
しかし、施設、あるいは病院は医療行為の同意を求めてきます。つながりのある家族がいればまだよいのですが、家族がいない、いても極めて疎遠となると、後見人がその代わりをせざるえません。そのようなときに「あくまで同意はできません!」と拒んでいては、適切な医療を受けることができず、健康を害するなどかえって本人の利益に反する結果となります。
そこで、予防接種や簡単な血液検査などの極めて軽微な医療行為については「同意権」を認めるべきだとの主張も有力です。この範囲であれば、「社会的相当性という観点から違法性を阻却することになると考えられる」からです(新井誠・赤沼康弘・大貫正男編「成年後見制度 法の理論と実務」有斐閣)。
今回、インフルエンザ予防接種の同意書面であることから、写真のような説明(注釈)を付けて返送することとしました。
もちろん、軽微でない一般の医療行為などには同意権を認めるのは困難です。
後見人をやっていて一番悩むのは実はここですね。いつも緊張感をもって対応しています。改めて理論的に詰めておかねばならないと思います。
できれば早期に立法的に解決されればよいのですが・・・

被後見人さんが入所している施設からインフルエンザ予防接種の同意を求める書面が届きました。昨日届きましたが、早期に返送した方がよいので、早速本日送付するとします。
ただし、悩ましいのは成年後見人に医療行為、特に身体への侵襲を伴う同意権はあるのか、という点です。本来、このような同意権は家族においてすらなく、ましてや家族でもない後見人にはありません。後見人の職務はあくまで財産管理と身上監護などの法律行為であり、事実行為である医療行為ではないからです。
しかし、施設、あるいは病院は医療行為の同意を求めてきます。つながりのある家族がいればまだよいのですが、家族がいない、いても極めて疎遠となると、後見人がその代わりをせざるえません。そのようなときに「あくまで同意はできません!」と拒んでいては、適切な医療を受けることができず、健康を害するなどかえって本人の利益に反する結果となります。
そこで、予防接種や簡単な血液検査などの極めて軽微な医療行為については「同意権」を認めるべきだとの主張も有力です。この範囲であれば、「社会的相当性という観点から違法性を阻却することになると考えられる」からです(新井誠・赤沼康弘・大貫正男編「成年後見制度 法の理論と実務」有斐閣)。
今回、インフルエンザ予防接種の同意書面であることから、写真のような説明(注釈)を付けて返送することとしました。
もちろん、軽微でない一般の医療行為などには同意権を認めるのは困難です。
後見人をやっていて一番悩むのは実はここですね。いつも緊張感をもって対応しています。改めて理論的に詰めておかねばならないと思います。
できれば早期に立法的に解決されればよいのですが・・・

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